アートカレッジ神戸
お問い合せ
●
ちょんまげは伊達じゃない。
●
奥様は声の魔術師。
●
進化するコラボクラス
'06はエコロジー
●
自然から学びデザインする
▲はじめのページへ
イッセイ ミヤケ ブランドの服で身をかため、紙を切ったような直線の髪型。本校講師の中で「似顔絵を描きやすい度NO1」ともいえるのがDJ声優学科講師、加藤 逸子先生だ。今回は1年生の授業、「司会・アナウンス基礎」に潜入取材した。
Q:お疲れ様です。今日の授業の内容を教えてください。
加藤先生(以下、加) 1st term(1学期)のまとめの授業で、〔六甲アイランド カラオケ大会、予選を勝ち残った20名による最終決戦〕というイベント設定で、司会としての最初の挨拶部分を一人ずつ皆の前で発表するーという授業でした。
Q:みんな緊張していましたね。
加:じつは原稿なしで、言うこと全てを自分で考えて発表するというのは初めてだったんです。これまではアナウンスの原稿読みが中心でしたから、標準語やアクセントなどの話す技術面のみに気をつかっていればよかったのですが、今回は自分で考えないといけない。つまり自分らしさを出さないといけないーという部分がプレッシャーになったのでしょう。
Q:自分らしさの部分とは?
加:声の仕事の多くは台本、原稿通りに読めばいい、というのは実際あまりありません。司会というのも例外じゃなく、イベントを進行させるために原稿にないことを盛り込んでいきます。例えば天気や温度、時間、場所、環境、色々ある中で最適なものを選び、自分なりのアレンジを加えていく。
司会の個性が出せる部分ではありますが、全ては状況によりけり。
例えばお客さんが全員女性だけだったり男性だけだったりしたら様々な制限が出てきますよね。そういう部分まで自分で設定して発表させたので、同じテーマでもじつに多様な内容になりました。そのために日常的にアンテナを張って過ごすことの重要性、これは2nd termのテーマにも繋がってくるのですが、普段から周囲にアンテナを張って、フリートークのネタをためていく必要性に気づいてもらえると嬉しいですね。
Q:先生の授業の特徴ってなんでしょう?
加:実践中心の授業を展開することです。毎回現場にある状況を設定して必ず全員の前で話してもらいます。場数の多さが自信につながっていきます。根拠のある自信、ない自信は立った瞬間にわかります。経験が浅くても現場に立ってしまえばそれはプロ。しっかりと責任を果たせるように授業といえども実践経験になるように指導することです。
Q:この1年生クラスはどうですか?
加:非常に元気で熱心です。最初は真面目で堅そうな雰囲気だったんですが、あっという間に打ちとけて明るくなりました。声の授業は人対人のレッスン。否応なしに緊張が高まるものですから、人間関係も近くになりやすいのでしょう。授業中もあちらこちらから声が上がります。授業後、自ら朗読を持ってきたり、どうしても苦手な部分を克服したいと、こだわりや熱心さがありますね。
Q:授業で一番気をつかうところは何ですか?
加:「その気にさせること」ですね。最初から細かいことは言わないようにしています。心のドアが閉まってしまうといけないので。声、つまり体を使ってする表現はマイナス面を直すやり方では上達させられません。必ずできる!という想いを常に持ってもらうことが大切だと考えています。
Q:先生は授業中、よく移動されてましたね。
加:席が黒板から遠い子と差が出ないように教室内を歩きまわり、距離感を保つためです。
Q:一瞬先生がゴルフのキャディさんに見えました(笑)疲れませんか?
加:現場(ラジオ)の仕事より教える方が疲れますよ!(笑)聞いてコメントしないといけないので、一人ひとりを聞き逃すまいと集中しています。
Q:教育の面白いところって何ですか?
加:教えるのは楽しく、いつも帰りは体が軽くなったような気がします(笑)。私の何十年の経験を伝えられるのは嬉しいし、できなかったことができるようになった学生を見ていると楽しくなります。たとえば『ヤマ』というアクセントの記号を付けるテストを毎回やるようにしているのですが、今までできなかった学生がある日を境に急にできるようになったりするのですね。一番楽しいのは教え子が現場で活躍しているのを見ることです。普段見れない表情が見えて感動さえします。
Q:本日はお疲れ様でした。ありがとうございました。
加:こちらこそありがとうございました。
本当に活気のある授業だった。先生はストップウォッチを片手に常に教室内を動きまわり、時にしゃがんだり、学生の席に座ったり、窓際に立って全体を見ていたり、発表が終わった学生に近づいてマンツーマンで指導したり。ゴルフのキャディーというよりサッカーの審判といった方が近い。発表者に対してのツッコミもあちこちからあがる。
「アドリブで何とかしろよ!」
『そのアドリブが思いつかないから困ってんだよ!』
「えらそうに言うことかそれは!!」
見ていてかなり笑える。しかも面白いのは学生は関西人がほとんどなのに、授業中はしっかり標準語になっていることだ。くだけたような雰囲気の授業に見えても、彼らにとっては『現場』なのである。「疲れたらまた見学に来て元気をもらおう」とさえ思えるエネルギーに満ちたクラスでした。
取材:広報部 小林 功
加藤 逸子先生のプロフィール
神戸大学教育学部卒業。ラジオ関西アナウンサー、その後フリーアナウンサーとして東京で活躍。現在は朗読ボランティアの指導の他、本校講師として活躍。番組は、ラジオ関西「鈴木正幸の自分らしく生きよう」「名曲ラジオアワー」など多数。
ラジオ関西 「名曲ラジオアワー」
日曜21:00〜21:50
http://jocr.jp/radiohour/radiohour.html
▲ページトップへ